健康で文化的な

ただの日記です。

SANEMORIの感想

 SANEMORI、私にとって人生初の歌舞伎体験だ。

 歌舞伎なんて難しそうなイメージしかなかったので理解できるか不安だったが、パンフレットによると、そもそもABKAIは普段歌舞伎に慣れ親しんでいない若年層等に親しんでもらうことも目的としているということもあって、かなり分かりやすかった。

 台詞の聞き取りやすさに加え、パンフレットにあらすじが書いてあり、それを事前に読んだおかげで頭に入りやすい。座席も1等席が取れたおかげでかなり見やすい位置で、それも良かったのかもしれない。通路側の座席だったおかげで、何度も横を出演者の方々が通り、それだけでも楽しかった。ちなみに、私が特に目を奪われたのは、手塚太郎光盛役の阿部君。横を通られるたび、あんまり綺麗なものだからジロジロみるのが申し訳なくなったくらいだ。源義仲役の宮舘君も凛々しく、つくづく時代劇の似合うアイドルだと思った。今度は帝役とかやってみて欲しい。

 さて、物語は義仲と光盛が戦場の中、語り合い、昔のことを思い出すところから始まる。映像作品なら画面を切り替えて、昔の話を始めることも可能だが、舞台の場合は僧もいかない。たった一つの舞台を上手に使って、どんどん場面が切り替わって行く。ときには、舞台上から降りて客席の方で演技をする。そうすることで客も物語の世界へ入り込める効果があるのだろうか。そういえば「どれミゼラブル」でも、キャストが客席側から登場する、というやり方を取っていた。主演の松本君がお客に話しかける場面もあり、ああすることで登場人物と客が同じ世界に立っているような雰囲気をつくれるんだと思う。

 場面切り替えも面白かった。たった一つの舞台の中で、ああもころころと世界を動かせるのだと感動した。

 また、これは歌舞伎ならではの動きなのだろうか、と印章に残った点もあった。その一つが、老中がこまんたちの家から一度去るシーンで、なぜか着ている服(呼び方を忘れてしまった……着物の上に羽織っているベストみたいなやつ、なんだっけ……)を去り際にちょいと上に上げるシーン。あれ、なんだったんだろう……。

 書いていて思ったが、私は圧倒的に知識が不足している。今度、母校の大学図書館にでも行って調べてみよう。