健康で文化的な

ただの日記です。

はじめに

「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とは憲法25条にある文言で、確か中学生の頃に一生懸命頭に叩き込んだ一文である。マンガで「健康で文化的な最低限度の生活」というタイトルのものがあるけれど、このブログのタイトルは別にそれを意識したものではない。

 憲法の一文があったから、こんなタイトルになったのだけど、じゃあ、今後は憲法についてとか、生活保障について論じていくのかといえば、そういうことも出て来るかもしれないけど、とりあえずそんな予定はない。

 私は以前、はてなブログで他のブログをやっていたけど、それはなんだかツイッターの愚痴アカウントと変わらない気がしたので、ついこの間削除してしまった。やましいところがあったのではなく、なんとなく、見返すと恥ずかしい(感情的なものが多すぎて)ので日記を捨てるノリで削除した。

 ではなぜ、改めて同じIDでブログをはじめたのかといえば、はてなブログの使い心地が良かったのと、あとは単純にまた新しいアカウントを作るのが面倒になったからでこれまた大きな意味はない。

 ただ、ブログを新たに始めようと考えたのには、理由はあるといえばある。これも大したことではないのだけど。

 第一の理由は文章を書きたいと思ったから。学生時代は小説を書くなんてこともしていたけど、その割にはお察しの通り文章は下手である。でも文章を書くのは楽しいし、書き続ければ少しはうまくなるんでないかな、といううっすらとした希望。

 第二の理由については、少し長くなる。これを説明するにはまず、自分の今置かれている状況から書いた方が良いのだろう。

 私は今、24歳。あと1か月も経たないうちに25歳になる。

 現在、公立図書館で非正規の司書として働いている。手取り14万未満、たとえ残業しても残業代なし。埃っぽくて汚い、時々臭い職場、シフト制で不規則な勤務形態、世の中こんな人もいるのかと驚いてしまう様な傍若無人な「お客様」たち。朝から晩まで居座って、カウンターで怒鳴り散らし、本を破り汚しても知らん顔。いったいどういう教育を受けて来たんだ、この中高年は……と、悪口ばかり書いても仕方がない。

 とにかく、これが私の今置かれている状況である。

 なんだか図書館と中高年のネガキャンをしているみたいで申し訳ないので、良いところとかやりがいも書いておくと、穏やかな中高年の利用者さんも大勢いらっしゃるし、そういう方々の役に立てるととても嬉しい。ワケわからんことで喚かれるのと、舌打ちしたくなるだけで。あと、上司がクソだけど、キラキラステキ上司なんか求めてたら、日本中の職場を短期間で転々とする人間になってしまう。

 閑話休題

 働いているうちに、ふと思ったのである。

「私、なにしてんだっけ?」

 朝、あるいは遅番の場合は昼、職場に行き作った声で「オハヨーゴザイマス」と言う。制服に着替え、汚れたエプロンを身に着け、さあ始業。

 身の回りにあるもの、汚れて少しにおう図書館資料、不愛想な利用者、高飛車な利用者、意味不明な利用者、意味不明な上司。大量の業務(カウンター業務、資料の発注、資料の管理、展示物作成、お楽しみ会企画実施などなど……順番を間違えると死ぬ)。

 帰路はぼうっとスマホをいじり、なんとなくゲームをしてお終い。疲れているのでご飯、風呂、寝るだけ。

 気づいたら、身体のあちこちがボロボロになっていた。もともと通っていたアレルギー専門の診療所に加え、歯医者、整形外科など、病院の診察券コレクター状態。休日はそこそこの確率で病院。

 そんな毎日を過ごしているうちに、ふと、

「私、なにしてんだっけ?」

 と思うようになった。

 ありきたりな悩みかもしれないけれど、「私、なんのために生きているんだろう」と。

 薄給、最低ではないけど、あまり楽しくない仕事。休日もなかなか楽しめない。

 昔はこうなりたいという将来の理想像があった。

 作家になりたい、とか、そういうのとは別に。

 休日、可愛い服を着て、映画を観に行って、素敵なカフェで本を読む、とか。

 ちょっと遠出して一人旅をする、とか。

 そんなふわふわとした願い。

 大人になったら、大人になってきちんと働くようになったら、お金に余裕ができたらやってみたいなって、高校生、大学生の頃に思っていたこと。

 ほとんど何もできていない。

 平日はボロボロになって働いて、休日は体力を回復するためだけにある状態。スマホばかりいじって無為に時間が過ぎて行っている。

 そんなときふと思ったのが、私の生活、健康でも文化的でもないんじゃないか、ということだ。

 この場合、憲法の意味しているところとはずれているし、どちらかといえば自己責任なんだけど。

 とにかく、今の私は不健康で無意味な生活を送っている、と思った。

 そして、このまま25歳を迎え、どんどん齢をとっていくのが嫌だ、とも。

「健康で文化的な」生活を手に入れるんだ、と決意したのがついこの間のこと。

 昔、思い描いていたふわふわとした願いを叶えよう。そうして、自分の中で思い描いていた理想像に近づこう。

 でも、ただなんとなく本を読んだ、とか、映画を観た、だけじゃ、そのひとつひとつは1個の出来事のまま終わってしまいそうだった。その1個1個の出来事、点と点を繋いで線にしてはじめて、ふわふわとした理想像をはっきりと描けるんじゃないだろうか。

 長々と書いたけれど、このブログの最大の目的は、その点と点を繋げることにある。記録していくことで、なにかしらの像が結べるんじゃないか、と期待してのことだ。

 案外、長くなった。もうすぐ仕事なので(今日は遅番)、今回はこれくらいにしておこう。

 ついでのように書くけれど、この仕事は3月でやめよう。図書館以外のところで働こうと思う。それもまた、自分の理想像へ近づく一つの点になれば良いんだけど。